クラウドファンディングの会計処理のポイントを分かりやすく解説

こんにちは。中川瞬(@shun01224)です。

中川
クラウドファンディングの会計処理について知りたい
という方のために、クラウドファンディングの会計処理について解説をします。

この記事を読むことで、

  1. クラウドファンディングの分類の違いがわかる
  2. クラウドファンディングの会計処理の方法を知ることができる
  3. クラウドファンディングが失敗した場合の会計処理がわかる
  4. クラウドファンディングをする時の確定申告について理解できる

この記事を書かせて頂いている私は、現在、輸出・輸入・国内の転売のノウハウをお伝えしています。

時間がない会社員の方や子育てをしている主婦の方に、指導や転売システムの提供をして、忙しくても副業で収入を得てもらっています。

それでは、クラウドファンディングの会計処理について解説をしていきます。

クラウドファンディングのタイプ

クラウドファンディングは、新しい資金調達の方法として注目されることが増えました。
インターネット上で不特定多数の人からサポートを受けられるため、企業だけでなく個人でもクラウドファンディングを使って大きな資金調達が可能です。

クラウドファンディングをする場合、ついつい資金が集まるかどうか、支援してもらえるかどうかを気にしてしまうかもしれません。
しかし、本当のスタートはクラウドファンディングで資金を集めてからです。

クラウドファンディングをした場合、どのように会計処理するのか知っておきましょう。
クラウドファンディングの会計処理は、クラウドファンディングのタイプによって違ってきます。
それでは、クラウドファンディングのタイプにどのようなものがあるのか紹介します。

クラウドファンディングは大きく分けて「投資型」と「非投資型」がある!

クラウドファンディングは大きく分類すると、投資型と被投資型に分けられます。
どちらに分類されるか判断するには、リターンを調べてみてください。
クラウドファンディングの見返りがお金のものは投資型に分類され、リターンが商品やサービスのものは被投資型に分類されます。

例えば、クラウドファンディングのリターンとして商品が受け取れる購入型のクラウドファンディングは非投資型です。
一方で、個人投資家からの出資をまとめて企業に融資する融資型は、金利も受け取れる投資型のクラウドファンディングとなります。

クラウドファンディングのタイプ別会計処理

それでは、クラウドファンディングの会計処理についてタイプ別に紹介します。

購入型クラウドファンディングの会計処理

購入型のクラウドファンディングは、クラウドファンディングの資金提供者がリターンを目的にして資金を提供します。
出資のリターンとして商品やサービスを受け取るということは、実質的にはお金を出して商品やサービスを購入しているのと変わりません。
そのため、購入型のクラウドファンディングは、税法上も商品やサービスの販売と同様の扱いになります。

購入型クラウドファンディングでは、資金調達者は集まったお金を売り上げとして計上します。
売り上げからプロジェクトにかかった原価や人件費、手数料を控除した利益に課税される仕組みです。
資金調達者が個人であれば利益に対して所得税が課税され、法人であれば法人税が課せられます。

一方で、資金を提供する側は一般的な買い物、ショッピングと変わらないので、経理処理はいりません。
個人事業主で事業に必要なものであれば、必要経費として計上することができます。
また、法人の場合にも事業に必要なものであれば法人の費用として損金算入可能です。

ただし、あまりにリターンが支援額に見合っていない場合は、購入ではなく寄付に近いと判断されます。
このような場合は、購入型クラウドファンディングではなく寄付型クラウドファンディングとして処理する場合があります。

貸付型クラウドファンディングの会計処理

貸付型のクラウドファンディングは、貸付金、借入金として経理処理します。
事業で利益が出た場合は課税対象になるため、法人であれば法人税、個人事業主であれば所得税を支払います。

ファンド型・株式型クラウドファンディングの会計処理

出資を受けたビジネスの利益に応じて支援者に分配金を支払うファンド型や、リターンとして出資先企業の未公開株を受け取ることができる株式型のクラウドファンディングは、新株発行の会計処理に準じて資本金などの科目で処理することになります。
貸借対照表の貸方科目純資産の項目が、増える形です。

クラウドファンディングをおこなった企業が資金を受け取った時点では、課税はありません。
しかし、事業によって利益が出れば課税対象です。
損益計算書で収益を計上して、個人の場合は雑所得で処理します。
資金提供者が受け取った分配金に関しては、法人であれば収益として、個人であれば雑所得で計算します。

寄付型クラウドファンディングの会計処理

寄付型のクラウドファンディングは、資金提供者からの支援でプロジェクトを実施するクラウドファンディングですが、リターンはありません。
一般的には、活動報告やニュースレター、絵ハガキなどを受け取ることができます。
社会貢献の性質が強いクラウドファンディングです。

寄付型のクラウドファンディングは、資金調達者と資金提供者の属性によって経理処理が変わります。
それぞれを確認しておきましょう。

「個人→個人」の寄付型クラウドファンディングの会計処理

個人から個人に対する寄付型クラウドファンディングは、税務上は贈与税の対象になり、110万円を超える部分について贈与税が課税されます。
資金を提供した個人は、寄付金控除のような税法上の特典は適用されません。

「法人→個人」の寄付型クラウドファンディングの会計処理

法人から個人に向けて資金が提供された場合は、法人は寄付金として費用計上できます。
一定限度まで損金算入することも可能です。
一方で、法人から資金提供を受けた個人は、一時所得として所得税が課せられます。

「法人→法人」の寄付型クラウドファンディングの会計処理

法人の資金提供者から同じく法人の資金調達者に資金が提供された場合、資金調達を受けた法人は受贈益として収益を計上します。
プロジェクトに関する資金として支出に充当されて、費用計上されることになるでしょう。

一方で、資金を提供した法人は寄付金として費用に計上します。
損金算入限度額を超える金額は、損金に算入されません。
ただし、クラウドファンディングが指定寄付金や特定公益法人に対する寄付に該当した場合には、損金算入限度額が増えます。
例えば、国や地方公共団体に対する寄付金や指定寄付金は、全額を損金算入することができます。

「個人→法人」の寄付型クラウドファンディングの会計処理

個人が法人のクラウドファンディングに資金を提供した場合、資金調達者である法人は受増益として収益計上して、プロジェクトのための支出は費用計上されます。

一方で、資金を提供した個人は資金調達者が特定の公共法人の場合に所得税や復興特別所得税の還付を受けられることがあります。
また、資金調達者が認定NPO法人、公益社団法人などの場合には、寄付金控除や寄付金特別控除のどちらか有利な方を適用可能です。
確定申告で忘れないように注意してください。

クラウドファンディングの会計処理の注意点

クラウドファンディングの会計処理は特殊な部分もあります。
クラウドファンディング特有の注意点について知っておきましょう。

クラウドファンディングが失敗した時の会計処理

クラウドファンディングは資金が調達できて無事成功する場合もあれば、残念ながら失敗に終わるケースもあります。
もしもクラウドファンディングで失敗した場合は、その後の処理によって会計処理も変わってきます。

もしもクラウドファンディングが失敗した時に集まった資金を返金する場合であれば、資金受け取り時に前受金としてあらかじめ負債計上しておきましょう。
返金する段階で、前受金を取り崩します。
また集めた資金の一部、もしくは全部を返金しなくてよい場合には、返金しない金額のみ受増益として計上します。

クラウドファンディングが成功した時の会計処理

クラウドファンディングで資金を調達した場合は成果物が未完成なので、前受金として計上して、商品の完成と資金提供者への引き渡しをもって売り上げに振り替えて処理します。

また、個人がクラウドファンディングに成功した場合、いままで経理処理をしたことがない可能性もあります。
そのような場合には、開業届を出して個人事業主になることを検討してください。
個人事業主として確定申告する場合には、事業所得か雑所得として所得税の申告をおこないます。

クラウドファンディングの消費税の考え方

クラウドファンディングは消費税の納税義務がある課税事業者の場合には、消費税の課税対象になります。
例えば、100万円支援金の場合であれば消費税は10%なので、支援として使えるのは90万円です。
必ず利用するクラウドファンディングサイトで税金をどのように扱っているかを確認してください。
また、リターンが飲食料品の購入型クラウドファンディングのように、内容によっては8%の軽減税率の対象になる場合があります。

課税義務がある課税事業者に対して、納税義務がない免税事業者もいます。
免税事業者が納税義務の要件を満たすと課税事業者となり、消費税の確定申告と納税の義務が生じるでしょう。

納税義務が生じるかどうかは、基準となる期間の売り上げが1,000万円を超えるかどうかです。
個人の場合であれば前々年の売り上げが基準、法人であれば事業年度の前々事業年度が基準です。
開業したばかりの個人や、設立初年度の法人であれば免税事業者になります。
すでに課税事業者であるという場合は、消費税の納税義務についても視野に入れてクラウドファンディングを実施してください。

現在、非課税であってもクラウドファンディングの支援金や売り上げが1,000万円を超えると課税事業者になって納税義務が発生することがあります。
課税事業者になることによって、消費税の還付が受けられるといったメリットもあります。
今後の事業計画とともに、課税事業者と免税事業者のどちらが有利かを考えておきましょう。

クラウドファンディングで調達資金は専業主婦や会社員でも納めるの?

クラウドファンディングで集めた資金は、その性質によって所得税や法人税が課されます。
必ず確定申告して、集めた資金を計上するようにしてください。
購入型クラウドファンディングの場合、どのように確定申告で計上するのかを紹介します。

専業主婦や学生の場合

クラウドファンディングは、個人でもプロジェクトとして資金調達できる仕組みです。
学生や専業主婦がプロジェクトで資金調達した場合は、基礎控除の範囲内であれば確定申告は不要です。
必要経費を差し引いて所得を計算するので、必ず実行にかかった費用は記録しておいてください。

サラリーマンの場合

クラウドファンディングでは、アイディアを持つサラリーマンや副業をしたい会社員が資金調達することもできます。
サラリーマンの場合は、会社ですでに所得税が源泉徴収されていて、年末調整によって所得を確定します。
副業としてクラウドファンディングをした場合は、所得額が20万円までであれば確定申告は不要です。

個人事業主の場合

個人事業主は、クラウドファンディングが事業に関係するかどうかによって扱いが変わることがあります。
それまでの事業目的に関連した業務や新しい事業としてプロジェクトをおこなった場合は、事業所得として扱うことができます。
一方で、業務に関係ないものをプロジェクトとして資金調達した場合には、雑所得として計上することになるでしょう。

必要経費になるものの領収書は必ず取っておくこと

クラウドファンディングで確定申告する場合は、どれだけの所得額があるのかを計算しなければいけません。
通常の確定申告では収入から経費を差し引いて、差額の所得額に対して課税されます。
クラウドファンディングで資金を調達した場合も、必要経費は差し引いて計算することが可能です。

必要経費として差し引くことができるのは、クラウドファンディングサイトの手数料や資金提供者に商品やサービスを提供するための費用、商品の発送費用などです。
また、インターネットや電話といった通信費や、プロジェクトに直接かかわる費用も計上可能となっています。
プロジェクトを企画するために参加したセミナーや、調査のための交通費、またパソコンや備品も必要経費になります。

必要経費として計上した場合は、支出したことを証明するための領収書を必ず保管するようにしてください。
保管期間は7年間なので、項目別にファイリングしてすぐに確認できるように管理することをおすすめします。

クラウドファンディングの会計処理のポイントまとめ

クラウドファンディングはタイプによって会計処理が異なります。
そのため、ややこしく感じてしまうかもしれません。
しかし、クラウドファンディングの会計上の基本的な考え方さえ理解すれば、問題なく処理することができます。
また、どうしても会計処理に不安がある、自分では処理できそうにないという場合には、税理士など専門家に依頼することも検討してください。

クラウドファンディングは、クラウドファンディングサイトの登場によって気軽におこなえるようになりました。
アイディアやプロモーション次第で、学生でも主婦でも大きな資金調達が可能です。
しかし、クラウドファンディングサイトはあくまでクラウドファンディングをおこなう場で、会計処理は自分でしなければいけません。

資金は調達してからの管理やプロジェクトに活用するまでが重要です。
会計処理についても、事前にどのようにおこなうのか、誰に依頼するのかをシミュレーションしておくようにしましょう。